2022年の北京オリンピックで羽生結弦さんが4回転半ジャンプを飛んで話題になりましたが、認定はされたものの回転不足や転倒があり、完全なジャンプとはなりませんでしたよね。
しかしついに4回転半ジャンプの成功者が現れました!
とても高いジャンプで余裕すらありましたよ。
4回転半ジャンプを飛んだのは誰なのか、どんなジャンプを飛んだのか、また試合で成功したら点数はどのくらい出るのかを調査しました。
4回転半の成功者は誰がいる?
4回転半ジャンプ(クワドアクセル)を飛べると認定されている成功者は2022年9月現在、羽生結弦さんとイリア・マリニン選手の世界でたった2人だけです。
ジャンプの種類は踏切の形などで
- トゥループ
- サルコウ
- ループ
- フリップ
- ルッツ
- アクセル
と6種類あるのですが、アクセル以外は全て進行方向に対して後ろ向きに踏み切ります。
それに対してアクセルジャンプは、唯一前向きに踏み切るため他のジャンプとはそもそも全然違って、3回転半も綺麗に飛べる選手は男女共に少ないくらいなんです。
前を向いて助走しているので、だんだん壁が近づいてくる感覚が少し怖いそうですよ
ちなみに・・・
- アクセルジャンプをシングルアクセルとして世界で初めて成功したのは1882年
- 4回転ジャンプを世界で初めて成功したのは1988年
シングルアクセル成功から140年、4回転時代突入から34年で、4回転アクセルが完成したことになります
そんなアクセルジャンプを4回転にして成功できる2人について、少し詳しく見ていきましょう。
4回転半の世界初認定は羽生結弦
羽生結弦さんは、2022年の北京オリンピックの男子フリーで挑戦しました。
回転不足と転倒があったものの、「4回転半」とジャッジにしっかり認定されましたので、ISU(国際スケート連盟)公認大会で世界で初めての4回転半成功者として認定されたことになります。
北京オリンピックの演技はショートでジャンプにトラブルがあったり、4回転半ジャンプの後のジャンプも抜けてしまったりと観ていてとてもハラハラしましたよね。
でも「世界初」に挑戦していく羽生結弦さんの姿には胸を打たれるものがありました。
4回転半の世界初成功者はイリア・マリニン
今回2人目の成功者として名を連ねたのはアメリカの17歳イリア・マリニン選手です。
2022年9月14日にアメリカのニューヨーク州レークプラシッドで行われた、チャレンジャーシリーズ・USインターナショナル・クラシックの男子フリーでのことでした。
減点もなくGOE(出来栄え点)もプラスで「初成功」となりました。
大会結果もフリーの点数が185.44点で、ショートとの合計257.28点で優勝しましたよ。
「HISTORY HAS BEEN MADE」(歴史は創られた)とコメントがありますね。
高さも十分あって3回転アクセルのようにも見えてしまいます・・・すごい
マリニン選手は「自分でもできるんじゃないかと考え始めたのは1年前くらいだったと思う」と話していて、およそ1年で4回転半ジャンプを習得してしまったことになりますね。
4回転半を試合で成功した場合の点数は?
4回転半(クワドアクセル)の基礎点は12.50点で、そこからGOE(出来栄え点)が-50%~+50%の間でつくことになります。
他の4回転ジャンプの点数(基礎点)を比べてみましょう。
ジャンプの種類 | 基礎点 |
4回転トゥループ | 9.50 |
4回転サルコウ | 9.70 |
4回転ループ | 10.50 |
4回転フリップ | 11.00 |
4回転ルッツ | 11.50 |
4回転アクセル | 12.50 |
他のジャンプは0.5点くらいずつ上がっていきますが、4回転ルッツから4回転アクセルだけ一気に1点あがるんですね。
もう1つ、アクセルジャンプの点数(基礎点)を回転数で比べてみましょう。
ジャンプの種類 | 基礎点 |
1回転アクセル | 1.10 |
2回転アクセル | 3.30 |
3回転アクセル | 8.00 |
4回転アクセル | 12.50 |
ちなみに、3回転アクセル(トリプルアクセル)で最高評価のGOE+5をもらった場合は+4点になるので8.00+4で点数は12点になります。
4回転アクセルのGOEなしの場合の方が、点数が高い計算になりますね
羽生結弦の4回転半の点数
羽生結弦さんが2月の北京オリンピックで4回転半ジャンプを飛んだ時の点数は5.00点でした。
通常の4回転アクセル12.50点から、回転不足で基礎点が10.00点になり、そこからGOE(出来栄え点)は全員が最低の-5を付けた場合に点数が5.00点になります。
それでも初めて認定された、と言うのはすごいことです!!
イリア・マリニンの4回転半の点数
イリア・マリニン選手の4回転半は、回転不足も取られなかったので基礎点はそのまま12.50、そこにGOEで1.00点が加えられて13.50点を獲得しました。
4回転アクセルを「GOEプラス」で成功した、初めての選手になります。
13.50点を他の4回転で得ようとすると・・・
- 基礎点9.50点の4回転トゥループをGOE最高評価の+5をもらって14.25点
- 基礎点9.70点の4回転サルコウをGOE+4で13.58点
GOEの+4、+5はかなりクリーンなジャンプにしなければ得られませんので、その点数を最低限のプラス評価でもらえてしまう4回転半ジャンプはすごいですね。
「GOE+5」ってジャッジが全員+5評価をしていないともらえないですよ
まとめ
いかがでしたか? 4回転半ジャンプを現在飛べるとISUに正式に認定されている成功者は・・・
- 羽生結弦さん
- イリア・マリニン選手
のただ2人なんですね。
その他4回転半ジャンプのまとめはこちらです。
- 4回転半(クワドアクセル)の基礎点は12.50点
- 羽生結弦さんが2月の北京オリンピックで4回転半ジャンプを飛んだ時の点数は5.00点
- イリア・マリニン選手の4回転半ジャンプを飛んだ時の点数は13.50点
イリア・マリニン選手はまだ17歳で今年からシニア参戦の選手です。
演技を見る限り、スケーティングなどはまだまだこれから伸びてきそうな感じがするので、点数の伸びしろもあって楽しみな選手ですね!
今シーズンたくさん試合で見ることができる選手だと思いますので、楽しみに観戦しましょう。
読んで下さってありがとうございました。